1. はじめに
  2. 瞬発力を高める速筋とは
  3. 瞬発力を高める速筋の効果
  4. 速筋を鍛えるトレーニング方法
  5. おすすめなトレーニングメニュー
    • ジャンピングスクワット
    • ルーマニアンデッドリフト
  6. おわりに
  7. 監修

はじめに

ランニング

身体を動かす筋肉は約600の種類あり、それぞれ大きなパワーを発揮する筋肉や関節を安定化させる筋肉、心臓や内臓を構成する筋肉など役割が違います。

スポーツ競技では、競技内容やポジションによって瞬発力や持久力など必要な能力が異なるため、必要なトレーニングも違ってきます。

そこで、今回は瞬発力を高めるトレーニングについて必要な筋肉の特徴や鍛え方をご紹介します。

瞬発力を高める速筋とは

筋肉

人間の身体を動かす筋肉はたくさんの筋線維が束になって1つの筋肉になっています。そして、それぞれの筋線維は「速筋(別名:白筋)」と「遅筋(別名:赤筋)」の2つに分類されます。

「速筋」とは、瞬間的に大きな力を発揮することができる筋線維です。一方の「遅筋」は、大きな力を発揮することは得意ではありませんが、多くの酸素を使って長時間働き続けることが得意な筋肉です。

どの筋肉にも速筋と遅筋が混在していますが、ハムストリングス(太ももの後ろ側の筋肉)のように走ったりや蹴る動作などで大きな筋力を発揮する筋肉は速筋の割合が多く、ヒラメ筋(ふくらはぎの深部の筋肉)のように立ち姿勢などで長時間体重を支え続ける筋肉は遅筋の割合が多くなっています。

瞬発力を高める速筋の効果

「速筋」とは、瞬発的に大きな筋力を発揮するのが得意な筋肉であることをお伝えしましたが、速筋を鍛えることで具体的にはどんな効果があるのでしょうか。

一番わかりやすい効果としては、短距離ダッシュが速くなったり、ジャンプ力が向上します。

スポーツにおいて瞬発力を必要としている場面は大変多いです。
ですから、速筋をピックアップしてトレーニングする意義は十分にあると思われます。

速筋を鍛えるトレーニング方法

速筋のトレーニングはジムでも自宅でも効率的に速筋を鍛えることができます。

速筋を鍛えるためのトレーニングのポイントは?

速筋は瞬発的に大きな筋力を発揮する筋肉ですので、それを鍛えるためには何回でもできるような負荷ではなく、1RMに近いような負荷でトレーニングを行うことが必要になります。

1RMというのは、その人がなんとか1回ならそのトレーニング動作を行うことのできる重さのことで、2RMはぎりぎり2回動作を行える負荷のことです。

しかし、逆に1RMの負荷では負荷が大きすぎて瞬発的な速い動きを行うのが難しくなります。そこで、瞬発的な動きができる重さを用いて速い動作でのトレーニングも行うことが必要です。

トレーニングの負荷や回数設定

  • 2~6RMの負荷で2~6回のトレーニングを3セット
  • 15RMの負荷で15回のトレーニングを2セット(こちらはできる限り素早くスピード感を持って行う)

おすすめのトレーニングメニュー

ジャンピングスクワット

スクワット

自重でのスクワットでも筋肥大の効果はありますが、瞬発力をさらに高めるために効果的なのがジャンピングスクワットです。

  1. 通常のスクワットの開始肢位と同じように骨盤の幅に足幅をとり、両足が平行になるように立ちます。
  2. ゆっくりと太ももが床に平行になる程度まで沈み込んだら思いっきり高くジャンプします。
  3. 着地時はしっかりと衝撃を吸収するように股関節や膝を曲げるようコントロールします。

ルーマニアンデッドリフト

デッドリフト

通常のデッドリフトはバーベルを使って広背筋を鍛えるトレーニングですが、ルーマニアンデッドリフトは主にハムストリングスや殿筋をトレーニングするのに効果的なメニューです。

  1. 足幅は腰幅程度(少し狭く)にセットします。

  2. 背すじを伸ばしたまま、お尻を後ろに引くように上体を前に倒します。
    膝は伸ばし気味(軽く曲げる)で太ももの裏が伸びる感じがあればOKです。

  3. 両手は下に降ろして、ホウキの柄など棒状のものを握ります。
  4. 胸を貼って背すじを伸ばしたまま、手に持った棒をスネの前に擦りつけるように、お尻から体を引き上げます。
  5. 体を起こしたら、背すじを伸ばしたままお尻を後ろに引くように上体を前に倒します。初めの姿勢に戻ったら、これを繰り返します。

おわりに

今回は、瞬発力を高めるために必要な速筋の鍛え方についてご紹介しました。

それぞれのスポーツの競技特性などによって必要な筋肉や動きが異なり、ちょっとしたトレーニングのやり方の違いで大きくパフォーマンスが変わってきます。

ご自身に不足している能力を見極め、正しく効率の良いトレーニング方法で身体能力を向上させていっていただきたいと思います。

監修

ループル治療院 齋木 拓

鍼灸師/あん摩マッサージ指圧師/柔道整復師 
日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー 
日本赤十字社 救急法救急員 
健康運動実践指導士 

スポーツ整形外科、会員制スパ&フィットネスクラブ、トリートメント&スパホテル等で治療や運動指導の経験を積む。
アスリートからスポーツ愛好家まで、幅広い年齢層への治療やリハビリテーションを通じて、日常生活やスポーツ競技への復帰をサポートしている。 
痛みや不調に合わせ「より効率的なカラダの使い方」ができるよう、治療とエクササイズを組み合わせた総合的なコンディショニングを得意とする。 

救急医、内科医 増田陽子

専門分野  
微生物学、救急医療、老人医療 

経歴 
平成18年 Pittsburg State大学 生物学科微生物学・理学部生化化学 卒業 
平成22 年 St. Methew School of Medicine 大学医学部 卒業 
平成24年 Larkin Hospital勤務 
平成26年 J.N.F Hospital 勤務 

資格 
日本医師資格 
カリブ海医師資格 
米国医師資格